「サラリーマンのまま起業を目指していますが、私は自分のキャリアに一貫性がありません。今まで関わってきた業界も、保険業、小売業、運送業など転職が多くこれと言った得意分野がありません。このような私でもスモールビジネスで成功できるのでしょうか？」
先日、当アカデミーに入会したばかりの飯田さん（仮名）から、はじめて問い合わせを頂いたのは、この問い合わせからでした。
飯田さんのように、自分のキャリアに一貫性がないことを心配されている人は結構多いものです。
では、サラリーマンのまま起業を目指す場合、キャリアの一貫性がないとスモールビジネスで成功するのに不利なのでしょうか？
結論
結論から言いますと、そんなことはありません。
逆に、今までのキャリアで様々な業界や業種を経験している人の方が、自分のスモールビジネスを起業して成功させる確率は高くなると思います。
新卒からずっと同じ会社で、ずっと同じような仕事をしてきたサラリーマンが、自分の特技を活かして起業したいと考えた場合、今まで自分が携わってきた業界の非常に狭い範囲でしか起業ネタが思い付かないという人は多いです。
当アカデミーの以前の生徒さんである青井さん（仮名）は、証券会社に10年以上勤務しています。彼女は、「自分の特技を活かして起業したい。」ということで当アカデミーにコンタクトをとってこられたのですが、当初は、やはり自分の殻から抜け出すことができず、規制の多い証券関係の仕事で起業しようと考えて、なかなかうまく起業ネタを特定することができませんでした。
(その後、結果的に私とのセッションを重ね別の分野での起業に挑戦できました。)
一方で、南川さん（仮名）の場合、当アカデミーの門を叩く30代後半までに転職を3回ほど重ね、製造業、商社、投資関連など3つの業界を経験していました。
当初彼は、サラリーマンのままスモールビジネスを起業するにあたり10個近いアイデアを持っていると言うことで私にそのリストを見せてくれたのを今でも覚えています。
業界Aと業界Bのアイデアを掛け合わせる
サラリーマン起業家がビジネスを軌道に乗せるために必要なスキルの7割から8割が「マーケティング」です。つまり、スモールビジネスとしては、いかにしてお客さんを集めることができるかがカギになるわけです。
サラリーマン起業家向けのマーケティング戦略の一つのワークとして、「業界Aと業界Bのアイデアを掛け合わせる」というものがあります。
例えば、コンサルティング業界では、その集客方法として、セミナーを開催して見込み客の獲得を目指します。
一方で、飲食業での新規顧客開拓は、SNSの発信であったり、広告への掲載、そして何よりお店のロケーションが最重要だったりします。
この二つの業界を掛け合わせて、飲食業で起業する場合であったとしても、「食に関するセミナー」などを開催して、新規顧客を獲得する方法もできるかもしれません。
一つの業界に留まっていると、その業界の人間としての範囲内での発送しかできなくなると言われます。
「RANGE（レンジ）知識の「幅」が最強の武器になる」（日経BP）の著者で科学ジャーナリストのディビッド・エプスタイン氏によれば、イノベーションのような新しい発想の原案は、往々にしてその業界の専門家外の人たちからのアイデアであることが多いそうです。
サラリーマン起業家としての出だしは、集客が命であり、その集客方法も、柔軟な発想があってからこそ成功するものだと思います。
このような理由から、サラリーマンのまま起業を目指す場合、様々な業界を経験していることはプラスに働くことはあっても、マイナスになることはないと考えています。
MBAカウンセラー川尻のケース
当アカデミー主宰の私川尻も、現在はMBAカウンセラーとして活動していますが、それまでの経歴は決して一貫性があったわけではありません。
20代の頃は物流、国際貿易に従事していました。
30代では事業開発です。
正社員としてどこかの留学エージェントに属した経験留は一度もありません。
そんな私でも、素晴らしいお客さんに恵まれて、ある程度は結果を出しているわけですから、皆さんもできないはずがないと思うのです。
私がMBAカウンセラーとしての最初にビジネスモデルを構築したときも、20代での物流、貿易の経験、30代での事業開発の経験がヒントになることがほとんどでした。
もしも私が、最初から留学エージェントに勤めて、MBA留学カウンセラーとして従事していたのであれば、今よりも結果は出でいなかった可能性が高いと思います。
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